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FGO(Fate/Grang Order)のサーヴァント「ヴァン・ゴッホ」の元ネタに関する書籍や映画などを紹介しています。間違いがありましたらご指摘いただけると嬉しいです。また、書籍の感想やお勧めの書籍や映画があれば、ぜひお知らせください。
ヴァン・ゴッホはこんな人物
ヴァン・ゴッホ(フィンセント・ファン・ゴッホ、Vincent Willem van Gogh、1853年~1890年)は、「ひまわり」や「夜のカフェテラス」などの作品で知られるオランダのポスト印象派の画家。オランダ南部の牧師の家に生まれたゴッホは、画廊、教師、書店員と職を転々としたのち、牧師を志すが、神学部の受験に失敗。ベルギーで伝道師となるが、1880年に画家を目指す決意を固め、弟テオドルス(テオ)の援助を受けながら創作を開始する。
1886年にパリへ渡り、印象派や新印象派の影響を受ける。主要な作品の多くはパリ時代以降に描かれたもの。日本の浮世絵にも関心を持ち、収集や模写を行っている。1888年2月、南仏アルルに移り、芸術家たちとの共同アトリエ「黄色い家」を借り、賛同したゴーギャンとの生活を送る。だが、ゴーギャンとの口論の末、ゴッホが自ら耳の一部を切り落とす事件を起こし、共同生活は終了。89年サン・レミの精神病療養所に入院(「星月夜」はこの期間)などを制作。翌90年パリ郊外のオーヴェール=シュル=オワーズで療養の傍ら制作を続けたが、同年7月27日にピストルで自殺を図り、2日後に亡くなった。(参考:ウィキペディア)
ゴッホさんは、ギリシャ神話のクリュティエとヴィンセント・ヴァン・ゴッホ両方の霊基を併せ持った幻霊です。クリュティエはギリシャ神話に登場する水のニンフ。ひまわりのエピソードがあります。
クリュティエ(Clytie)は、ギリシャ神話に登場する水のニュンペー(ニンフ)。ペルシャ王オルカモスの美しい娘レウコトエに恋をしたアポロンは、彼女の母親に姿を変えて近づき、レウコトエと結ばれる。このことを知ったアポロンの恋人クリュティエは、嫉妬にかられオルカモス王に讒言。怒ったオルカモス王は娘を生き埋めにしてしまった。だがアポロンが、クリュティエの元に戻ることはなく、アポロンの愛を失ったクリュティエは、涙にくれ食事もとらず、地面に座ったまま、太陽をみつめるばかり。いつしか彼女は、常に太陽の報を向いて咲くひまわりの花となった。なお、花をヘリオトロープとする説もある。
ヴァン・ゴッホ関連書籍
ゴッホ ──燃え上がる色彩
パスカル ボナフー/創元社
「知の再発見」シリーズのゴッホ。伝道師時代からパリでの印章派との邂逅、アルルでの強烈な色彩との出会いといったゴッホの生涯を作品を交えつつ紹介。伝記と作品を適度なボリュームでまとめているので、とりあえず知りたいという場合はこちらがおすすめかと。
ゴッホの手紙 中 テオドル宛
ヴァン・ゴッホ/岩波文庫
上中下3巻なんですが、上巻は画家ベルナールによる序文が半分くらいあって、書簡集というよりベルナールのゴッホ論という感じです。中・下巻は弟テオへの書簡集。中巻はパリ~アルル時代前半、ゴーギャンとの共同生活を始める時期の手紙を収録。創作中の作品について、ゴーギャンやベルナールら友人の画家について、日本へのあこがれについてなどが記されています。共同生活への希望にあふれた手紙は、結末を知ってると切ないです。下巻は、ゴーギャンとの決別から死の直前までの書簡を収録。
たゆたえども沈まず
原田マハ/幻冬舎文庫
日本人画商林忠正の視点で描かれたゴッホ兄弟。小説なのですべてが事実ではないですが、実際に起こった出来事とフィクションを巧みに織り交ぜて一気に読ませる展開は、やはり小説ならではで、伝記を読むのとは違った面白さがありました。タイトルも素敵ですよね。
ゴッホのあしあと
原田マハ/幻冬舎文庫
上記の小説の副読本的な作品。著者がフランス各地に残されたゴッホの「あしあと」をたどります。ゴッホだけでなく、日本人画商林忠正の親族にも取材しており、作品執筆の裏側ものぞけます。著者おすすめのゴッホ作品の見られる美術館の案内もあり。
ギリシア・ローマ神話
ブルフィンチ /岩波文庫
1ページ分もない分量ですが「クリュティエ」と題した章あり。アポロンを見続けるところから物語が始まっており、ここだけ読むとクリュティエの悲恋物語で、その前のドロドロ部分は記されていません。このためだけに購入するのはもったいないですが、ギリシャ神話をわかりすくまとめた1冊なので、ギリシャ神話関連のサーヴァントが多いため、あると便利です。
変身物語〈上〉
オウィディウス /岩波文庫
クリュティエの自業自得とも言えそうな物語をよみたいかたはこちらを。「レウコトエとクリュティエ」は上巻に収録。ここでは「ひまわり」ではなく「ヘリオトロープ」の花になったと記されています。ヘリオトロープは紫色の小さな花で、バニラに似た甘い香りがすることから香水に用いられているそうです。なお、レウコトエが天に召された後には、乳香の木が生えてきたそう。上巻にはほかにイアソンとメディア、アタランテの物語も収録されています。
ゴッホ関連映画
劇的な人生が題材として取り上げられやすいのか、映画も数多く制作されています。
炎の人ゴッホ
Lust for Life 1956米/監督:ヴィンセント・ミネリ
古い作品ですが最も有名なのはこちらでしょうか。伝道師時代からのゴッホを演じたのはカーク・ダグラス。作中、ゴッホの作品(本物)が多数登場します。ゴーギャンを演じたアンソニー・クインがオスカー(助演男優賞)を獲得しました。ゴッホの生涯を描いたアーヴィング・ストーンの小説の映画化。小説はこちらです。
永遠の門 ゴッホの見た未来
At Eternity’s Gate 2018年・米、英、仏 /監督:ジュリアン・シュナーベル
今度は新しい作品から。2018年公開(日本では2019年)で、ゴッホを演じるのは、ウィレム・デフォー。ゴッホの視点、ゴッホの内面から彼を描いた作品。オスカーにノミネートされていましたね。監督は、自分でも絵を描くジュリアン・シュナーベル。
夢
Dreams 1990年日・米 /監督:黒澤明
黒沢明監督自身が見た夢を元にした8話からなるオムニバス形式の映画。ゴッホにまつわる「鴉」は、美術館でゴッホの「アルルのはね橋」を眺めている男性が、絵の美しさに見とれて絵の中に入って行く。男は絵の中でゴッホを捜し始める。
ゴッホ 真実の手紙
VAN GOGH: PAINTED WITH WORDS 2010年・英/監督:アンドリュー・ハットン
BBC制作のTVドキュメンターなんですが、ベネディクト・カンバーパッチがゴッホを演じているのと、ドキュメンタリーのため、再現シーンとナレーションで構成されているのが面白いと思いました。セリフは手紙の文面をそのまま用いています。BS朝日の「BBC伝説」でも放送されたこともありました。
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